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当院の特色

当院の特色

当院は、臨床研修指定病院及び産業医科大学関連教育病院として幅広くかつ高度な診療機能を保有する総合病院であるが、特に、整形外科、リハビリテーション、脳神経内科、脳卒中診療及び高圧治療の分野において、顕著な実績を誇っています。

即ち、整形外科部門は、開院当初から労災病院設置の目的である被災労働者の治療の中心的診療部門として活動し、今や134床を有し豊富な症例をもつ九州地区における屈指の病院として高い評価を受けています。最近の年間手術件数は、約2000件以上に及びその手術対象者は新生児からあらゆる年代にわたり、その部位も脊椎から四肢に至る身体全域に及び、その成功率も極めて高い結果になっています。

リハビリテーション部門は、内藤三郎初代院長の指導のもとに発足し、我が国における嚆矢(こうし)として常に指導的役割を担い、リハ医学の発展に果たした役割は計り知れません。現在は、最先端の設備・機器を導入し、理学療法、作業療法はもとより、義肢・装具の製作に至るリハビリテーションのあらゆる機能を備え、整形外科疾患、中枢神経疾患、在宅リハその他の多様なニーズに対応したリハビリテーション医療を展開しています。

脳神経内科、脳血管内科部門は、高齢化の進行とともにその重要性が広く認識されていますが、当院では勤労者脳神経センターを開設し、急性期からの関連5診療科チーム医療が可能となっており、北九州脳卒中地域連携パスにも急性期病院として参画し、保健所その他、地域における協力関係も進展しています。また、難治性神経疾患治療のメッカとなっており、リハ部門との連携した心理療法、言語療法の症例も豊富です。
高圧医療については、大型の高圧治療タンクを設置して以来、減圧症、一酸化炭素中毒、突発性難聴、ガス壊疽、末梢血管障害等の治療に効果を上げていますが、特に減圧症では30年以上に及ぶ研究と実績を有し、九州地区はもとより全国各地から患者が訪れています。また、最近では脳血管障害、褥瘡、植皮後の高圧酸素療法など、新しい分野についての研究も積極的に進められており、年間治療件数は約3千数百件に及んでいます。

得意な専門分野、手術など

人工関節置換 股関節外科
膝関節外科 脊椎・脊髄手術
足部変形手術 手の外科
関節鏡視下手術 切断
脊損 脳卒中のリハビリテーション
内視鏡的消化管腫瘍切除
(早期胃癌、大腸癌、ポリープ)
PEIT(肝癌)
PTCA 胸腔鏡的気胸手術
腹腔鏡的胆嚢摘出術 体外衝撃波結石破砕術
前立腺レーザー高温度治療 内視鏡下泌尿器科手術

特に力を入れている疾患

≫内科 消化器疾患(肝・胆・膵臓、消化管)
内分泌代謝疾患(糖尿病等)
循環器疾患
呼吸器疾患
血液疾患
膠原(こうげん)病
≫精神科・ストレス科 うつ病
≫脳神経内科 神経疾患
≫脳血管内科 脳梗塞
一過性脳虚血発作
≫小児科 小児内分泌疾患
小児神経疾患(てんかん)
≫外科 消化器外科
内視鏡外科
呼吸器外科
肝胆膵外科
乳腺外科
≫整形外科 外傷
変形性関節症
脊椎・脊髄疾患
リウマチ、スポーツ整形、手、足の外科
骨軟部腫瘍外科
≫脳神経外科 脳血管障害
脳動脈瘤手術
脳腫瘍手術
≫皮膚科 皮膚悪性腫瘍
職業性皮膚疾患
≫泌尿器科 前立腺疾患治療
尿路結石治療
代用尿路手術
≫婦人科 婦人科悪性腫瘍手術、良性疾患手術、腹腔鏡手術、更年期症候群
≫産 科 帝王切開術
≫眼科 網膜硝子体、白内障、緑内障、涙道、角膜移植
≫耳鼻咽喉科 内視鏡下鼻内手術(慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鼻閉)、突発性難聴、頭頸部腫瘍
≫放射線診断科・治療科 Interventional Radiology(血管内外科)


専門センターについて

勤労者骨・関節疾患治療研究センター

国民の愁訴は四肢や関節の痛みなどが80%を占めていることからも、運動器の疾患解明は勤労者にとってきわめて重要といえます。本センターは労災患者の基本である骨、関節などの運動器の疾患の研究と治療を目的としています。
本院の世界的研究成果として、潜水病に伴う骨壊死の研究があり、現在も潜水作業者の検診を行い、骨壊死を始めとする減圧症の予防に関する研究をすすめています。また勤労者に頻繁にみられる腰痛性疾患や膝疾患の予防を行うため作業姿勢や勤労環境との関連について調査研究を行っており、予防に有効なストレッチ、腰痛体操、筋力増強訓練の効果の調査研究を手がけています。本院は全国でも有数の豊富な骨・関節疾患症例をもっているため、現在開院以来の貴重な資料のデータベース化を行なっていますが、それと平行して変形性股関節症や変形性膝関節症への骨切り術や人工関節置換術などにテーマをしぼって研究、治療を推進しています。

勤労者メンタルヘルスセンター

本センターは、悩みやストレスに伴う心身の不調を抱える勤労者のための相談機関です。医学的に問題の無い方の相談を積極的に受け付けております。
病院業務とは独立しておりますので、投薬や脳波などの検査は行いません。
各種保険は適用されず、自費のみとなっています。
初回相談は無料。30分で専門の臨床心理士が対応いたします。2回目以降有料。
30分/3,000円、45分/5,000円(税別)の相談料をいただきます。面接相談は月曜日から金曜日13:00~16:00となっております。ご相談は予約制ですので、メンタルヘルスセンター(TEL 093-475-9626)佐々木までお問い合わせください。
その他、職場でのメンタルヘルス研修や体制整備づくりのご相談も承ります。

勤労者脳神経センター

本センターは脳神経外科、脳血管内科、脳神経内科、リハビリテーション科と脳疾患に関するすべての専門科・専門医がそろっていますので、新病院ではこれらの科を統合して脳神経センターを設立しました。脳卒中から難治性神経疾患まで全ての神経疾患に対して専門的な治療が可能となっています。
脳神経外科は脳出血やクモ膜下出血の外科的治療から、慢性閉塞性脳血管障害に対する内頸動脈内膜剥離術やSTA-MCA吻合術、機能的脳外科疾患(てんかん、三叉神経痛、顔面けいれんなど)に対する先進的な外科的治療を行っています。脳血管内科は主として脳梗塞や一過性脳虚血発作の急性期診療を担当し、発症3時間以内の脳梗塞に対する血栓溶解療法も積極的に行っています。脳神経内科は頭痛・めまいなどの日常的な神経疾患から神経難病まで幅広く診療を担当しています。リハビリテーション科は豊富な経験を有する専門医・専門スタッフが脳血管障害や各種神経疾患の急性期リハビリテーションに取り組んでいます。

アスベスト疾患センター

本センターでは平成17年9月より「アスベスト疾患センター」を開設しました。検診部門、診断部門、診療部門、事務部門で結成され、各部門が協力しチーム医療を行っています。

関節再建センター

成人の股関節や膝関節の人工関節手術や関節骨切り術などを担っています。年間300例を越える手術が行われ、全国有数のセンターのひとつとなっています。日常生活や職場への復帰が早期に行えるような手術方法や術後リハビリテーションプログラムを工夫しています。


整備されている医療機器

MRI(磁気共鳴装置)、ESWL(体外衝撃波結石破砕装置)、高気圧治療装置(高圧タンク)、X線CTスキャナー、アンギオ装置、リニアックなど

特色ある施設

(1) 中央リハビリテーション部

理学・作業・言語療法部、義肢装具士、臨床心理士等の専門のスタッフが充実しています。

 

(2)高圧医療部

(3)人工気候室

特殊診断:振動障害

振動障害の鑑別・鑑定診断には室温設定が重要な条件となります。本院の特徴的設備として恒温・恒湿がコントロール可能な人工気候室があります(図1)。さらに、振動障害の診断精度を高めるためマルチチャンネル・プレスチモグラフ(指血圧の測定による指動脈収縮能力測定)(図2)やニューロメーター(知覚神経の客観的評価測定)(図3)などの測定によってより正確な確定診断ができるようにしています。

  図1


図2                       図3