独立行政法人労働者健康安全機構 九州労災病院

食道がん

食道がんとは

食道とは

食道は喉と胃をつなぐ臓器で、平均25cm程度の長さがあります。頸部食道、胸部上部食道、胸部中部食道、胸部下部食道、腹部食道の5部位に区分されており、大部分は胸腔内にあります。食道は気管、大動脈、心臓、肺などに囲まれています。食道は胃や大腸と違い漿膜という膜がないため、早期のがんであってもリンパ節転移や大動脈、気管などの周りの臓器に浸潤しやすい特徴があります。

食道がんの症状など

自覚症状はかなり進行するまでありません。そのため、内視鏡によるスクリーニング検査が重要です。食道がんになりやすい人としてはお酒、タバコを嗜む男性があげられます。進行すれば、食事時のつかえ感や痛みなどが出てきます。日本人は90%が扁平上皮癌ですが、最近は腺癌も増えてきています。

診断

早期の食道がんはほとんど検診などの上部消化管内視鏡検査で病変が見つかります。食道がんと診断されたら、X線造影、超音波内視鏡検査、CTなどを行い、癌がどれほど進行しているか(病期)を決定します。その結果で内視鏡にての切除がいいか、手術がいいか、抗がん剤がいいかなどの治療方針を決めます。

進行度分類

治療方針

当院では消化器内科にて食道がんの確定診断及びがんの進行度を診断します。その結果を踏まえ、食道癌診療ガイドラインに従い治療方針が決定します。内視鏡治療、手術、化学療法(抗がん剤)、放射線療法などを組み合わせた集学的治療が行われることが多いです。患者様の全身状態などによりそれぞれにあった治療を選択します。

内視鏡

早期の食道がんでリンパ節転移がなく、病巣が完全に内視鏡的に切除できると判断された場合は内視鏡による切除の適応となります。内視鏡的切除術には内視鏡的粘膜切除術と病変の一括切除が可能な内視鏡的粘膜下層剥離術があります。その他の内視鏡的治療として光線力学的治療、アルゴンプラズマ凝固法などがあります。

手術

リンパ節転移の疑われる進行癌の場合は手術の適応となります。当院では頸部食道癌を除く胸部食道癌、腹部食道癌の手術を行なっています。胸部食道癌の手術は頸部、胸部、腹部のリンパ節を含め胸腹部食道を全摘します。かなり侵襲の高い手術になりますので、手術適応であっても、患者様が手術に耐えれるかの検査を行います。手術に耐えられると判断した患者様にはまず術前化学療法(抗がん剤)を行ったのち、根治切除術を行います。最近では胸腔鏡や腹腔鏡を使い体に負担をかけない手術も行なっています。しかし、手術を希望されない人や手術に耐えられないと判断した場合は次の化学放射線療法となります。

化学放射線療法

癌を完全になおす根治的治療と、症状などを改善する緩和的治療に分けられます。根治的治療は放射線療法と化学療法の同時併用が推奨されています。患者様の状態を考え、放射線療法のみ、化学療法のみなどいろいろな治療が選択できます。当院では治療放射線科医が常勤しており、各科協力して治療を行います。